大宮部屋の大宮です。お世話になっております。
昨日開催された「スパルタンレースガーラ湯沢2023」に出場しました。
スパルタンレースって何?
フィジカル苦手な人は字面だけで不安になりそうだけど、まさにその通りです。
詳しくはオフィシャルサイトなり、ググるなり、YouTubeで見つかる動画なりを見てもらうとして。
ざっくり説明すると、山の中を走って(体力や脚力が足りない人は歩いて)、途中に設置されているアスレチック的な障害物をクリアしてゴールを目指すというレースです。
障害物をクリアできなければペナルティでバーピー30回です。
他の人と競うのはごく一部の上位の人たちで、多くの参加者の目標は自分の体が出せる限界までがんばる、私のような非アスリートにとっては完走が目標になります。それでもめちゃくちゃ大変なんですけど。
チームで参加した場合は同チーム内での助け合いがあったり、非チームメイトでも助け合いが認められていたりします。
ただしそれにも制限があるので、一人でやっつけないといけない場面も多々あります。
VRCスパルタンレース部
BEROSUさん(大正浪漫カフェの人)が提唱して昨年設立された、VRChatterで一緒にスパルタンレースに参加しようという部になります。
現在は限界スクワット部のしげさんが主に事務面を取り仕切っています。
今回はエントリー22名、参加21名(一人風邪で来られず無念)となり、今回のレースに参加するチームの中で3番目に多いチームになりました。
当日まで
参加を決めてエントリーしたのは5月、クリーヴァさんと話して「大宮さんもいけるよ」みたいに背中を押してもらえたのが決め手でした。
エントリーしたのは当然一番下のカテゴリ「Sprint Open」です。5kmとありますが、Garmin持ってた人の実測で総距離7.3kmぐらい、獲得標高800mぐらいの山でした。障害物は20個。
当日までの練習として、近所の激安ジムに再入会して筋トレ、ジョギング、その他には山歩きに慣れるためにハイキングの回数を増やしました。
他の参加予定者を誘って秩父山地の周遊コースに行ったり、誘われて筑波山を登ったりと、楽しみつつやっていました。
7月と8月は仕事がそこそこ忙しく、目一杯運動というわけにはいかなかったものの、数十年ぶりに懸垂ができたときは、参加を決めた甲斐があったなと思えました。
コンプレッションウェアを着ると全然疲れが違うとか、シューズによって脚の負担が全然違うとか、そういった運動関係の知見が集まるのも楽しい日々でした。
大会に向けてというモチベだけではなく、運動することへのハードルが下がると、もう二度とぶよぶよのダメな肉体には戻らないぞという気持ちの支えになります。
前日
数日前から早寝早起きにして寝不足を解消しておき、前日もしっかり早起きしたのですが、眠いまま階段に踏み出して滑って上から4段落ちました。
擦り傷を負ったほか、左肩を寝違えたように筋を伸ばしたっぽく、軽い痛みが残りました。まさか出発前に負傷するとは……とはいえこの程度のことは現地で負う可能性も十分にあるレベルの軽い負傷なので、湿布を貼って出発です。
越後湯沢まではわりとあっという間。北関東から近いのです。
ナゼルさんの手配してくれたコテージ(ちゃんと人数で割るとそこまで高くない)にチェックインして、駅で他のチームメンバーと顔合わせをして、ラーメンを食べ、降ったり止んだりの雨に不安を募らせながら準備を進めていきます。
当日朝~登り
会場まで徒歩20分程度&BEROSUさんの号令で体操して準備万端。
エントリー待ちの列ではドコドコドコドコした感じの曲がかかっていて陽キャの吹きだまりという感じで大変良かった。
スタート地点のコールアンドレスポンスもこなして、いざ急坂を駆け…ることはできないので、一歩一歩着実に歩いていきます。
雨はこの時点でも降ったり止んだりで、止む予報は完全に外れ。寒さ対策のウインドブレイカーを持っていかなければ死でした。
このウインドブレイカーはNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」において三木城での合戦が取り上げられた際に地元商工会が頑張って作った「三木合戦」ロゴ入りのものです。大変長持ちしております。しばらく帰っていないので帰省の予定も立てたい。
山道を登って登って、チームメイトと励まし合ったり、知らん人と励まし合ったりしつつ進みます。登山なので自分はさほど息は上がらなかったのですが、今後どのみちチームメイトと合流することは分かっているのでペースを合わせます。
そうでなくても地面のぬかるみや穴があちこち酷かったので、かなり気をつけて歩く必要がありました。下草のグリップ力は偉大。山に植物が生えていることは本当に偉大です。
途中で下り坂に転じたところで列の前の方の人から悲鳴のような声が聞こえ、何があるかと思ったら、本来は草が生えていたはずの場所がすっかり粘土質の地面が見えていて、泥の滑り台状態に。
滑り降りる人も居たのですが、私は怪我が怖かったので端に寄って木や草を掴みながら降りました。
コンディションの悪さという、距離や傾斜で見えるもの以上に体力を削ってくる要素とも戦いつつ、ようやく標高の高い障害物エリアに到着です。スキー場のロッジがあって広場になってるあたりですね。
障害物
(1)4ft wall
難なくクリア。
(2)6ft wall
難なくクリアできるかと思いきや、ドロドロで壁を蹴り上がるどころではない。
腕の力だけで体を上げられず、ナゼルさんにケツを押してもらってクリア。
(3)O-U-T
難なくクリア。
(4)Vertical Cargo
てっぺんで体を入れ替えるときに隣の人を蹴りそうになった。ごめん。
問題なくクリア。
(5)Monkey bar
うんてい。1本目の棒を触っただけで掴めずに落下。
※バーピー30回
バーピーゾーンはどこもぬかるみプール状態で、ドロドロになりながらバーピーしました。
バーピーを習慣化できていなかったのが失敗で、想像以上に一気に心肺機能がやられてぶつかり稽古みたいな息の上がり方をしました。
(6)Plate drag
重り入りの皿を手元に引っぱってくるのだけど、レーンが荒れすぎててものすごい窪地ができてる。で、そこに引っかかるとどうやっても動かなくなるので、凹みに引っかかった場合は直で外しに行って良しというスタッフの指示があり従う。重さについては問題なく、クリア。
(7)Z wall
雨で濡れていて滑りやすいものの、手で掴むのは問題なく、難所の折り返しを過ぎたその先の直線部分で足場から足を滑らせて落下。
先行していたBEROSUさんも同じところで落ちていたので、特別滑りやすいところだったのかもしれない。無念。
※バーピー30回
やばい息の上がり方をしていたのを見かねてナゼルさんが5回分もらってくれる。
(バーピーはチームでシェアできる)
(8)Inverted wall
握力でどうにかしないといけないと思っていた梁が、普通に握れる構造になっていて一安心。これは余裕でクリア。
(9)Multi rig
つりわ。出来る気はしないけど、とにかくチャレンジ。1つ目をしっかり掴んで体を振って2つ目の輪を掴んで滑って落下。
※バーピー30回
死にそうな声を上げながらこなす。
(10)Sand bag carry
水を吸って重くなったサンドバッグ。ぜったい22.5kgどころじゃない。やばい。
右肩に担いで、本当は後ろに担ぎたかったけどうまく回せず、結局右肩に担いだまま、最後の方は腹側に回して上腕の力も使って必死に歩いてクリア。コースもぬかるんでいて滑ったりハマったりしないようにするのに気を遣った。
(ここで2周目を走ってきたしげさんが追いついてくる!)
(11)Atlas carry
50kgの重り。ぺたん座りから両腿にたぐり寄せるように乗せて、手を組んで抱え込んで脚力で持ち上げる。
あとは腰をやらないように腹筋背筋の力でキープして短いコースを行って戻るだけ。不安だったけど想定より楽にクリア。
※バーピー負債を5回返却(たいたいさん宛)
ここからまた標高の高い場所へ向かってしばらく移動。先行していたきすぎさんに追いつき人数が増えて、チームの強みがでてきた。
(12)Hurdles
普通にできそうだと思ってたのに、6ft wallの時と同じように前腕の力で体を持ち上げられず。ナゼルさんとのちかるがさんに代わる代わる土台になってもらってクリア。ありがとう。
(13)Barbed wire crawl
有刺鉄線の下を匍匐前進。楽勝。とっくに泥まみれだし、むしろ他の場所よりも地面の状態は良かった。
(14)Slip wall
握力とある程度引っぱる力は残っていたので問題なく登り、反対側のはしご降りも恐怖など感じてる暇なくクリア。
(15)A frame cargo
掴んで登って上で体入れ替えて降りるだけ。難なくクリア。
(16)Rope climb
ロープを掴んでぶら下がって、足を絡めるのがコツだと予習はしていたものの、練習する機会がなかったのでぶっつけ本番。目の前でしげさんが見本を見せてくれたけどとてもマネできず。
※バーピー30回
ドロドロになって死にそうな声を上げながら5回ずつぐらいに分けてこなす。
みかねてクリーヴァさんが9回もらってくれる。ありがたや。
(17)Spear throw
残り時間が少ないというアナウンスがあったのでとにかくさっさと並んで思い切って投げる。全然届かず。
ペナルティランのはずだったのだけど、ペナルティ用のコースが既に閉鎖されていて、ペナルティはバーピーに切り替わっていた。そんな。
※バーピー30回
仲間から先行していたので3回ずつぐらいに分けて死にそうな声を上げながらこなす
かなり異様な声なんだけども、まあスパルタンレースだしそういう人が居てもいいでしょう。新弟子のぶつかり稽古はこんな感じです。
(18)Bucket carry
コースクローズの時間を意識して「障害物パスしていいからゴールすることを優先しろ。完走したことにしてやる」的なアナウンスが流れるも、残時間的にまだいけると思ったので挑戦。
サンドバッグと違って砂利バケツは水を吸ってないけど、疲労も相まって重い。脚力で持ち上げ直すのは苦ではないので、途中で3回地面に降ろしながらもどうにかクリア。
(19)Hercules hoist
砂袋が水を吸いすぎていて絶対30kgじゃない。少し持ち上げて「きつい!」と言ったところで、たいたいさんがヘルプに入ってくれた。ありがとう。
チーム内では多人数がかりでも可のルールです。
ゴールに向けての下り坂。膝をやらないように慎重にしつつ、全員での完走を確信して移動。最後の障害の前で10分ほど後続を待った。
(20)Fire jump
火がついてる薪の上を、8人ぐらいで手を繋いできららジャンプ
手助けなしクリア 12
手助けありクリア 3
失敗 5
ペナルティバーピー141回(150回のところ、もらわれたのが14、もらったのが5)
クリア後
途中からとにかくずっとトイレに行きたかったけど、足洗い場~下りゴンドラがずっと混んでいて大変でした。
完走者がもらえるメダルとTシャツをもらって、ゴンドラの揺れに尿意をこらえながら降りてきました。
かなり過酷という噂だったガーラ湯沢のスパルタンレース。
さほど強い運動習慣があるわけでもなく、昨年よりもコンディションは悪く、そのうえ昨年より繰り上げ制限時刻が30分早まっている中で完走できたのは満足です。
ルール上仲間と負荷をシェアしながら参加できるというところが本当によくて、声かけはもちろんだけども、たくさん助けられたり、ちょっと助けたりして挑めたという部分が本当に良かった。
そして、打ち上げで6週間ぶりに飲むアルコールはとても美味かった。
宿に戻ってからナゼルさんと日本酒の話をしながらお互いが薦める日本酒を交互に飲むのも最高に良かった。翌朝のぽんしゅ館で食べた爆弾おにぎりも美味しかった。
次回に向けて
え、出るの? 誰が? 決して安くない参加費や宿泊費を払って、こんなしんどい思いを一体どうして……?
とか言いつつスケジュールさえ合えば出ちゃうのかなあ。いろんなことの状況次第。
体力作りは続けます。
心残りは前腕で体を持ち上げる力が全然足りてなかったので、ディップスをやっておくべきだった点と、バーピーみたいに心拍が急に上がったときに息が乱れすぎないような加減や体力そのものがほしかった。
それと、脚を攣る人が多かったので、その際の応急措置をしてあげられるようにするのと、配るためにもシャクヤク甘草エキスを持っていこうと思った。
いや、もし次回出るとしたらの話ですよ。仮の話ですって。
後日談
翌日の昼というかこれを書いている日のお昼ですが、衣類のお片付け中にサンダルを履こうとして足の指の爪を引っかけて剥がして血まみれになりました。
レース前日に家を出る前に階段落ち、レース翌日に家に帰ってから爪剥ぎです。スパルタンレースよりも負傷してる。
しげさんから「大宮さんの家はガーラより過酷なんですか」と言われた。