大宮部屋ブログ

VR大好き大宮部屋です

柏の葉パークマラソンで初のハーフマラソンを走りました

大宮部屋の大宮です。お世話になっております。
最近はランニングに凝っていて、初心者らしく楽しんでいます。

長距離走が楽しくなってきた

12月10日に富岡で10km走に出場して以来、一定間隔でレースにエントリーして走ることも大いに楽しめそうだという気になってきました。
市民ランナーの世界は奥深く、上を見ればキリがありません。特に陸上経験者の人がそのまま走り続けていて、なおかつ私より若いなんて場合には、その人のタイムについてあれやこれやと考える気にもなりません。

それでも楽しく思えるのは、もちろん走ることそのものの爽快感もさることながら、自分のタイムが出ることで「昨日の自分に勝つ」体験を味わえるからです。
相撲だと勝敗がついてしまうし、対人だから実力向上を計測しづらくて継続が難しいかもしれない。対戦型の団体競技になると味方への責任感も伴ってくるからなおさらです。

社会で生きていかなくてはならない基底現実に疲れている身としては、人と競い合ったり集団内で序列をつけたりすることに忌避感があります。趣味の世界はそうであってほしくないのです。
少なくとも私の周囲、VRCスパルタンレース部から走ることを始めた人たちの中には、走力によるマウンティング思考の人はいませんし、向上心を過剰に礼賛することもありません。
頑張りは頑張り。結果は結果。褒めてもらえれば嬉しいけど、ねぎらってもらえればもっと嬉しい。そして何より大事なところは、人が他の人の努力のペースに口を挟むことがないところです。
こういう調整が利く趣味や趣味集団にコミットできたことは幸運と言えるでしょう。

無論、この理由とて、壁に当たったり肉体の衰えによってモチベの源泉を切り替えるときがやってくるのかもしれませんけれど。

自分が60代になっても走ることを続けていたとするならば、また違った理由を見つけているのだと思います。

柏の葉パークマラソンへの出場を決めた

さて、今回は走歴4ヶ月の初心者である私が初めてのハーフマラソンに挑んだレポートになります。
本来は5週間前の赤羽ハーフに出場する予定だったのですけれど、雨量の多さと強風と、リタイア時に逃げ場がなさそうなのと、完走後に速やかに温泉に駆け込むことが難しそうだという理由から棄権したのでした。

出場を決めた大会は2月23日開催の「柏の葉パークマラソン」です。
一周3kmの周回コースを7周する大会で、公園内は一部足を取られがちな石畳があるものの、おおむねフラットで走りやすく、しかも3km中0.4kmはトラックです。
交通規制を伴わない大会だからか、締切が遅かったため無事エントリーすることができました。

小雨が降る柏の葉公園
等々力オフ

4週間前となる1月末に、等々力陸上競技場を一般利用で借りて、スパルタンレース部の人たちと練習会をしました。
関西からガチランナーにして人に教えるのが上手な我らの星麦しげ氏が来るということで、提案された練習会に参加したという形です。

VRChatのオフ会がこれ

体軸のブレや脚で体を支えるバランス感、ハードルを使った股関節の柔軟な動かし方などを習い(録画もしてくれた)、あとはインターバル走して、ビールを大量に飲んで締めるという楽しい内容でした。
この際に指摘されたのが「大宮さん、へっぴり腰になってる。それ直して立ち腰にすればもっといける」という点。

10月と11月に群馬で教わっていた「立ち腰にして前傾でピッチを速くして」によって、ある程度うまく走れているかなと思っていたのですけど、どうやら私の立ち腰はまだまだちゃんと立てていなかったようでした。
背中を丸めて立ち腰にならないようにしてすり足で土俵を動くスポーツをしていたので、なかなか癖が抜けてないわけだよね。

この「非へっぴり腰」の感覚がようやく出来てきたかなというのはその3週間後ぐらいでした。本当に腰や膝への被ダメが減るし、同じぐらいのスピード感で走っていても断然速いという結果が出てきました。体幹が鍛えられてくればもっとしっかりしてくるだろうし、そこから改めて前傾の意識をすると速度も上がるんだろうなと思う。
やっぱりフィジカルトレーナーに直接見てもらうのは大事だし、信用度の高い人に接触できていたというのは感謝と幸運ですね。

エネルギー問題

節分の日に、いつもの堤防で21.1km走を試みました。結果、9.5kmと17.5kmでゼリーでの補給を入れておきながら、18km地点から大失速して脚が上がらなくなるという事態に見舞われました。
心肺も足腰も全然大丈夫なはずなのに、これが筋肉のエネルギー切れというものかという初体験です。しかし、これを経験しておいて本当に良かった。
本番での補給内容と補給ペースに大いに参考になった。

本番までにこういう経験しておいて助かった
直前の準備

開催日が近くなり、天気予報が固まってきました。気温は終始2℃で天気はみぞれ&少雨。天候には全然恵まれていないとはいえ、前回の赤羽ハーフよりはマシです。出場の意思は変わりません。

2日前の朝からカーボローディングを始めました。米とうどんを主体に、脂っこいものはやや少なめです。オーバーカロリーの状況ではあるのですけど、この程度で増えた体重など後でどうにでもなるので気にしません。
怖いのは低体温やエネルギー切れなので、準備と装備とレース運びの想定さえうまくいけば走りきれるはずです。

貴重品は身につけて走るので、いつもの小さめのウエストポーチの出動です。
袋に入れた運転免許やクレカや現金、スマホ、そして薄っぺらいエネルギージェル3個、という組み合わせで行きました。

今回は寒いので汗や水が逃げやすいタイプの長袖アンダーウェアを着用しました。
スタート地点や序盤の寒さ防止のため、エイドで捨てること前提で100均のポンチョも着用しました。
防寒には終始着用していたネックウォーマーが活躍しました。あと手袋はいつも通り必須。
防水スプレーも各装備にぶっかけていたのですが、これは実のところあんまり意味なかったらしい。まあ、プラセボで。

11時20分スタートなので、当日朝は6時に起きました。カフェインについては賛否あるみたいですけど、私は前日はデカフェ日にして、当日はいつも通り朝食にコーヒーを飲みました。

柏まではそこそこ長い道のりです。道路事情は何があるか分からないもの。安全を期して早め早めに動きます。舞ってくるみぞれと、2℃から変わらない国道の温度計。不安が募ります。けどオラなんだかワクワクしてきたぞ、という気持ちがこのあたりではもう勝っていました。

当日のレース運び

とにかく、最初から冷えにやられて筋肉が硬くなったりフォームがズタズタになるのが怖かったので、最初の3kmはポンチョを着たまま、そしてややオーバーペースで入りました。
大変ありがたいことにこのレースのハーフの部ではゴールタイム1時間30分から2時間の間に5分刻みでペーサーが7人も配置されていて、その一番遅いペーサーが5分41秒/kmで走ってくれるから、今の私にとってちょうど程よいオーバーペースになるのです。

実際、普通にウォームアップ気分で3km走っていたら心拍は152bpmぐらいになるところ、160bpmまで上げることができたので成功だったと思います。
3kmの給水地点でポンチョは脱いでゴミ箱に入れ、4km地点あたりで雨が弱くなってきたところで「天は我に味方せり」という気になり、このレースを完走する確信ができました。
その後6kmのところまでペーサーについていけてしまっていたのですが、元々オーバーペースなので、ここから自分でペースを落としました。体感的には6分超えのつもりだけど、先述の立ち腰の意識が生きていたのか、結局5分50秒~6分ぐらいのペースになっていました。
ペーサーについて行って根性で走りきるプランもあったのですけど、2時間なんてとても無理だと思っていたし、後々の疲れ具合とタイムを見る限り、ここで負荷を落として分散する戦略はおそらく正解だったと思います。

寒さで麻痺してくると発汗量がよく分からなくなるので、給水はこまめにとりました。エネルギーの補給も3週間前の教訓から、スタート前にたっぷりラムネを食べ、9kmと15kmのところでジェルをしっかり目に摂りました。

今回は富岡の時と違って沿道の応援はほぼないです。ランナーのご家族と思しき方がコースの途中に数人いて、みんなに声をかけてくれていたぐらいで(それでも助かる)
ただ、周回コースなので3kmごとにゴール地点を通るんですね。で、マラソン案件が非常に多い着ぐるみさんの「らんなちゃん」を7回も拝めるという、なかなかに嬉しい事案がありました。
一周ごとに手を振って、kawaiiポーズで応援してくれるんですよ。タイミング合わせてこっちもガッツポーズとかしてました。
相手がポーズしてくる空気に合わせてこっちもポーズするのはVRChatで培ってますからね。諸説あろうとは思うけど、私はVRCのアバターkawaiiムーヴコミュニケートの先祖の一つは着ぐるみさんだと思っています。

https://twitter.com/run_run_ranna
らんなさん

他には、寒くて凍えてそうな誘導員のおじさんに、こっちから「おつかれさまです!」と声をかけて「頑張って!」と返事が来るのを活力にしていました。

他のランナーが居て一緒に走っているということも精神的なスタミナになるのですが、こういった声出しや声かけみたいなので、ともすると惰性でフォームが崩れていたり、変な方向に思考が飛びそうになったりというのを修正することができるので、この試みも成功していたのではないかなと思う。

残り6kmでペースを上げたのだけど、これが思ったほどではなく、どうやら最高のプランで走れてもこれぐらいが自分の実力かという感じでした。
結局ロングスパートは最後の2km。2時間のペーサーに対して40秒ビハインドから5秒しか詰められなかった形でのフィニッシュとなりました。

精神的に折れない工夫として、高い方の目標(今日は良いぞと感じた場合はこれぐらい)低い方の目標(今日は調子悪いけど何とかこれぐらいで)を作るらしいです。
私の場合は高い方で2時間6分36秒(6分/km)、低い方で2時間11分53秒(6分15秒/km)を想定していたので、2時間0分35秒は凄まじく上出来です。

3kmごとのラップタイムつきで結果がもらえる。親切。

2時間切りまであと35秒というのは惜しく見えるけれど、ランニングを続ける限りはこの辺りはクリアできるところだろうし、次の機会にとっておくことにします。

ゴールしてらんなちゃんとハイタッチしてもらったり、MCの中願寺アナに話してもらったりと、嬉しいこともいっぱいあったのですが、喋っていて自分の呂律があまり回っていないことに気づいて、実際はこれ低体温ギリギリだったのかなと。
走ってる方はまだいいけど、ゴール地点やエイドで立ってるスタッフさんはもっと寒かったろうに。らんなちゃんに至っては濡れてるし。

周回コース
6分切りペースで刻めていて良い感じ
ピッチも一定、心拍もうまく上げられて成功している


更衣室では長居せずに、さっさと車に乗り込んで、替えの靴を履いて、梅郷の温泉でどうにか命を取り戻しました。温まってみると、今までの低温がどれだけ危なかったのかようやく分かりました。その後は天一

こんな食べ方するの今日だけだから!
大宮には長距離走の適性がちょっとあったかもしれない

まあ、それも勘違いかもしれんけど。

どういう趣味であれ、技量向上を目指すにあたって、環境を整えたり精神が楽しくなるような工夫というものは、まあやるものです。
能動的に環境を手に入れに行っても手に入らなかったり、受動的であっても環境に恵まれてしまったりという運不運はもちろんあるんですけれど。
たとえば今回の話しで言うと、等々力オフに参加させてもらえる機会や、優秀なコーチに恵まれたことは、かなりの幸運でしょう。

とはいえやはり、何かを始めた時に、それに関してどれだけの初期値を持っていたかという運って、あるんですよ。
ほとんど練習しなくても、天に与えられし身体で私より速く長く走れる人。逆に私以上に練習してもなかなかうまくいかない人。

私は身長が低く、体重もダイエットの成果がちょうど出たところで、若い頃には下半身をたくさん使うスポーツをしていました。
何ならそれよりもっともっと昔の、小学校低学年の頃の校内マラソン大会なんかでは走るのが速かった人間です。
身体的特徴や神経の促通具合や脳による肉体の操作の能力など、同級生の他の人に比べて比較的長距離走に向いていたのだろうと思います。

センセーショナルに英雄を取り上げたがる人々は、各ジャンルの頂点にいる人たちを見て素質がどうたらと言うのだけど、その素質ってやつにはグラデーションがあって、私たちの目の届く範囲においても残酷な結果の差をもたらしてきます。

素質あることとやりたいことが一致した人生を送ってきた人という例外を除いて、この文章を読んでいる人はきっと少なくとも一度は勉強やスポーツやゲームなんかを真剣にやったことがあると思う。だから、まあ、分かるでしょう。

私はさほど熱心に練習するランナーではありません。
やっている練習は、オガトレの柔軟動画(ほぼ毎日)、CALISLIFE自重トレの腹筋動画(週2ぐらい不定期)、CALISLIFE自重トレ初心者向け4分プランク(週2ぐらい不定期)、ランニング週2~3、そんなもんです。
月間走行距離は50~70kmぐらいで、市民ランナーとしては下の中ぐらいでしょう。
これ以上量を増やすと義務感が増して楽しくなくなってしまうのです。それに、入れ込みすぎると怪我も怖いしね。もちろん後々になって感覚が変わる可能性はありますが。

ランニングという、初期値がそこそこあった良い趣味を見つけたなあと思う一方、初期値があまりにも悪いくせに諦めきれず、手を尽くして必死になって損切りも出来なくて精神をすり減らすまで続けている趣味も一方であるのです(それが何かは、私の普段を見てくれている人なら分かるでしょう)
もちろんその必死さというのは、楽しさを保つことによって自身に継続のマインドを植え付ける試みという意味合いでの必死さであり、ランニングに比べれば可視化しづらい小さな差分の進化を見つけて自分を褒めていくという試みであり、決して楽しくないわけではないのです。それに、凄まじい遅さでありながら進捗出てるから。(だからこそ辞めづらいというジレンマもあったりするけど)
こちらの方の「ヨシ」と言えるマイルストンを置くのもあと1年3ヶ月ぐらいでなんとかしたいものです。
ただ、時間的な制約でどちらかしか続けられなくなったとき、私はどちらを選ぶんだろうと思うと、考え込んでしまうのです。


■次へ向けて

さて、考え込むのはそれぐらいにして次の目標です。
向こう2年ぐらいで、タイムとしてはハーフ2時間→1時間50分、10km53分→50分、フル完走サブ5→サブ4、という感じになっていくのかなと思います。ちゃんと続けば、ですが。

次にエントリーしているレースは、2ヶ月後、4月21日のかすみがうらマラソン(フル)です。
年初の予定では11月のぐんまマラソンでフルマラソンデビューしようかと思っていたのですが、コースや設定関門や楽しそうかどうかといった要素を勘案し、後半リタイア上等で行ってこようかなと思っています。今度こそ雨降りませんように!