大宮部屋ブログ

VR大好き大宮部屋です

専用アバターをお迎えするまでの、VRアバターに関する気持ち

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お迎えした大宮専用アバター

はじめに

以下に述べるのはVRアバターについての私の心の動きであり、何かに意見するというスタンスでの文章ではありません。
「大宮さんそんなこと考えながらプレイしてたのw」ぐらいで笑って読んでいただければありがたく思います。

なお、専用アバターについては「ワンオフ」という言い方がわりと浸透していますけど、one-offとは「一度きりの」という意味なので、「ワンオフアバター」だと1回使ったらもう使えなくなるアバターって意味になっちゃうらしいですよ。寺井さんに教えてもらいました。
そんなわけで「専用アバター」とか「オーダーメイド」という言い方をしますね。

依頼に至った気持ち

先日Youtubeに投稿した動画

https://youtu.be/Ul33-qBXGR4

にてご挨拶しました通り、このたび寺井さんに依頼して大宮の専用アバターを制作していただきました。
寺井さん自身やりたい創作がたくさんある中、こうやって時間を割いて私の願いを叶えてくださったことをあらためて感謝します。

制作作業そのものだけでなく、こちらからの要望点の確認等の段取り、そして前向きに取り組んでいると伝わってくるモチベーション、これらの点に助けられながら、その度に寺井さんに頼んで良かったと思う日々でした。

VRChatには絵描きさんやモデラーさんがたくさんいて、幸運なことに私はその一部の方々と話す機会に恵まれています。

そんな中で寺井さんにアバター制作を依頼をした一番の理由は、私に「刺さる」デザインとアバターを作る人だったからです。
もちろん一応は、話を聞いてくれそうだという距離感的なものもありましたが。

自分に「刺さる」アバターを手に入れるには、究極的には、強いデザイン力とモデリング力と体力と時間管理をもって、自分で自分のアバターを作るのが理想なのでしょう。
しかし私にはできなかったし、追い求めようという心身の力と時間は尽きました。
原因は年齢と、バックボーンの不足です(※1

自分で出来ないのなら、人に頼めばいいじゃないか。そうは思っても「人の時間を奪う」ことに対する抵抗感は大きく(※2)、かなりの期間逡巡しました。
そして今年の初め、恐る恐るながら話を持って行かせてもらい、快諾いただいて今に至ります。

自分に刺さるアバターを自作するため、長期にわたって牙を磨くという手段はあり得たでしょうし、実際に腕を磨いている人たちのことは尊敬します。
私は私自身の欲を優先しました。基底現実の不具合でログインできなくなってしまうよりも前に、理想の姿になりたかったのです。


それはエルシー・イステアリちゃんではだめだったのか?

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エルシー・イステアリちゃん

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これは少し面倒くさいおじさんの精神の内面の話になります。

私は長らく、ttasaさん制作による二次創作アバター、エルシー・イステアリちゃん(ゲーム「プリンセスティアーズ」の主人公)の姿でVRChatをプレイしていました。

エルシーちゃん離れを起こしたきっかけは、実は「プリンセスティアーズ」の原作をちゃんとプレイしたことでした。

エルシーちゃんとの出会いは原作ではなく、ttasaさんのモデルからなので、原作プレイは後回しにしていたんですね。
こんなことを書くと、せっかく一生懸命原作を作っている35HRさんや、プリンセスティアーズを広めようと頑張っているttasaさんにがっかりされてしまうかもしれません。

エルシーちゃんはその姿と1:1で紐付けられた、しっかりとしたキャラを持っています。
この事実が情報として入るほど、私の精神とエルシーちゃんの姿との間に横たわる乖離は大きくなっていきました。

たまに目にする「二次創作もののアバターを自分として認識させるってどうなの(※3)」という話ですが、感性の違いと言って切って捨てても別に良いのですけれど、実のところ私にはそういう言い分も解るんです。

VRChat民にとっては
「プリンセスティアーズのキャラであるエルシーちゃんのアバターを使っている大宮さん」
であっても、プリンセスティアーズのファンから見ると
「エルシーちゃんがVRChatというゲームに出ていて、操作している人は大宮さんいうらしい」
だったりするわけです。

プリンセスティアーズのエルシー・イステアリちゃん、というキャラクターが頭に入った後では、エルシーちゃんの姿を通してもたらされる情報によって、私の魂はアバターから引き剥がされることが多くなりました。

それは別に構わないと思う人も多いでしょう。
しかし、私にとっての3DアバターVR空間における身体そのものであり、操作しているキャラクター以上であること以上に、私自身の精神へのフィードバックをもたらしてくれる存在でもあるのです。
可愛い・かっこいいアバターになるとポジティブになるし、ネタアバターになると悪戯っぽくなるし、静物アバターになると置き物っぽい気分になることは、他の人も経験したことがあるかと思います。

私個人は自分のアバターにこだわりを持つに至ってしまったからこうなりましたが、そうでない人も多く居るかと思います。
そこについては最初に書いたとおり、こういう考えもあるんだねと適度に流していただければと思います。

ttasaさんによるエルシーちゃんの3Dモデルは、VRCでの使用が許可されている3Dモデルがまだ少ない時期から公開されていて、35HRさんやttasaさんの厚意をもって使わせてもらってきました。
私だけでなく、多くのエルシーちゃん使いにとっての恩人です。

エルシーちゃんの姿が広まって、原作を知ってもらう機会やttasaさんを知ってもらう機会はこれからも変わらず増えていってほしい。そういう思いで「Elsie Estuary Avatar World」は残しています。


それは大ノ宮ではだめだったのか?

別記事で述べたことの重複になりますが、やはり大ノ宮はこの格好

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土俵入りをする大ノ宮

なので、TPOが限られます。そもそも大ノ宮は、自分にとっての「可愛い」を満たそうとして作った子ではなく、土俵に上がって四股を踏むことと、制作を通じてBlenderの操作をある程度以上覚えることが目的でした。
ただ、理由はそれだけではないので以下に述べます。

大ノ宮は自分が7ヶ月もかけて(ノウハウ・情報の部分で多くの助けがあったとはいえ)自力で作った最初にしてたった一体の人型アバターです。
もちろん、とても可愛いです。奇特な人が可愛いと言ってくれることもあって、その時は飛び上がるほど嬉しかったです。
でも私が感じるこの可愛さは、あくまでも「親目線」なんですよね。

実際の私は、目ばかり肥えてる厄介なオタク(厄介発言は慎むよ!)です。
だからアバターとして私が使う体は、私程度の実力では及ばないぐらい可愛いものがいい。しかし自分に刺さるデザインや精緻なモデリング作業は自分には出来ない。
わがままだけど、なりたい姿になれるVRだからこそ、実力不足(実力を身につけるための寿命不足)という足かせに囚われて諦めてしまいたくない。

大ノ宮を可愛いと思う気持ちは私の中とそう言ってくれる奇特な人たちの中にしまっておいて、私がなりたい可愛い姿は寺井さんにお願いしてしまおうと思ったのでした。

別記事にも書いたように、この子を作るのに費やした7ヶ月については後悔はしていません。
どのようにして3Dモデルが作られているかといった知識や、Blenderの操作や用語・概念など、学ぶことがとても多く、今でもちょっとした小物を作る際の基礎知識として大いに役に立っています。

大ノ宮のアバターはPublic化しています。自ワールド「Dohyo」にペデスタルを置いていますので、土俵を訪れた際に気が向いたら見てみてください。


それはラポラポちゃんではダメだったのか?

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ラポラポちゃん

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実は上記の理由だけだと、ラポラポちゃんで大丈夫です。

ラポラポちゃんや、他の多くのVRChat想定販売アバターは、最初から多くの人がVRアバターとして使用することを想定して創られた3Dモデルであり、エルシーちゃんのような物語性を引きずっていません。

多くの販売アバターを自分色に改変して使っている人たちは、そこに使用者自身の個を載せて「自分」を作り出しています。

それが現在の日本界隈VRChatの文化であり、私自身もラポラポちゃんの服を色替えしたり自作のアクセサリをつけたり、素体から簡単な服を自作したりして、「ラポラポちゃんを使っている大宮」を作り出してきました。

ただ私の場合、やはり目の前にラポラポちゃんアバターを使っている他の人がいると、「同じ種族の子が来た」とか「生き別れのお姉ちゃんだね」といった風に捉えようとしても、なかなかうまくいきませんでした。
おそらくは自分の繊細さのせいなのでしょうが、VR空間の中では同じアバターを見ると奇妙な違和感があり、それがどうしても拭えなかったのです。

これが不思議なことに、他の人同士だと同じモデルからの改変アバターを見てもちゃんと別個の存在として認識できるし、スクリーンショットで見たら写っているのが自分であっても自分と同アバターの他の人が別個の存在だと当たり前のように認識できるのです。
なんだかこの現象も、VRアバターの特異性のような気がします。

そんなわけで、メッシュごとごっそりといじるような大胆な改変でもした方がいいかなあと思っていたのですが、当然ながら私の腕でそんなことをするとモデル自体のクオリティが下がります。
そして、冒頭で述べた決心に至るのです。

ポジティブなお話

上記までで散々に「○○ではダメだったのか」を述べましたが、もちろん当然のことながら、この最高に可愛い姿を新たに手に入れたことによる心身への影響については大いに期待するものがあります。
この姿で何ヶ月か過ごし、あと200時間ぐらい経った時の自分の状態がどうなるのかを想像すると、年甲斐もなくワクワクしてきます。

自己の多くの部分は他己ありきで成り立っています。決して、交流することの全てが自己形成のためだとは言いません(そこまでわがままじゃない)
ですが、皆さんの前に姿を多く見せて自分が変容してゆく(あるいは変容しない)様というのを今後のVR生活の楽しみの一つにしていけたら良いなと考えています。

きんいろモザイクの話

寺井さんとは当初、VRChatやってるきんモザが好きな人という感じでTwitterで繋がりました。当時は私も英語圏でのプレイが多かったので、英語学習の文脈でフォローされたのかもしれません。寺井さんはペラペラで私はカタコトなんですけど。

3月19日にきんいろモザイクが最終回を迎えます。私のツイッターアカウントのOmiyaAliceは、きんいろモザイクのキャラクター名が元ネタになっています。一応、大宮の街が好きだということもありますが。
きんモザファンの間に生きてきたミームに「きんいろモザイクになりたい(※4)」というものがあります。

寺井さんの作るキャラクターは、まさにまんがタイムきららの世界から飛び出してきたような姿で、概念ではなくアバターとはいえ「きんいろモザイクになりたい」に近い願いを叶えてくれました。奇しくも、きんモザ本編の終了と入れ替わるように。

アバターの名前はどうするの?

制作期間中に寺井さんからも聞かれたのですが、私のハンドルネームとは別にアバター自体の名前はつけないのか、ということです。

あった方が便利なのですが、その場合は私自身が「大宮○○」と下の名前を名付けるのと同時になると思います。
アリスだときんモザの聖域に踏み込んでる感があってちょっと躊躇しますね。しかし大宮アリスと名乗ればTwitterアカウント名を変えないで済むので便利。

漫画やアニメのファンの人に悪いかもしれないので、埼玉方面に名前に寄せる方がいいかもしれないですね。要検討事項です。



※1

自作アバター制作は、人生の折り返しを過ぎて絵の一つも学び描いたことがない身にはなかなか厳しいものがありました。
趣味→寝不足→事故のコンボは比較的周囲にありふれているので、根性ムーブで潰れる前に手を打とうと思いました。
こういった総合的な力不足は歳のせいにでもしないとやってられないので、歳のせいと言っておきます。

※2

前職では大変難しい外注管理をしていて、互いに精神を潰し合うという悲惨なこともあり、現時点でもトラウマになっています。

※3

もっと強めに「そもそも、○○ちゃんになろうって考えがおこがましい!」なんてご意見もあったりします。これは無許可MMD利用者に対するお叱りの文脈で出てきた文章ですが、もっともだと思うところもあります。

※4

ここで述べられる「きんいろモザイクになりたい」は、きんモザのアリスになりたいとかそういう話ではなく、概念としてのきんいろモザイクが定義されているという仮定の上で、概念そのものになりたいという魂の昇華に対する希求です(なんやねんそれは)
オタク的な言動の「推しカプが同棲している部屋の酸素分子になりたい」に近いけれど、もう少し精神的な感覚だと思っていただければ。